Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.435 Zeichen · 329 Bildschirme
僕が今薬を進げよう」と奥に入りて二つの壜を持ち来たり「大原君、医者へ駆け付けたところがこれ以上の薬はないよ。どんな頑固なシャックリでも酒石酸と炭酸曹達があれば直ぐ癒る。しかし沸騰酸のようにして一緒に飲んではいかん。先ず酒石酸を二グラム以内即ち五分ばかりオブラートへ包んで先へ飲むのだ。オブラートがなければ最中の皮を濡して包んでもいいが薬ばかりでは飲みにくいかつ歯を刺撃して毒になる。それから次に炭酸曹達を三グラム以内即ち七、八分ばかり水で飲むのだ。そうすると腹の中へ行って俄に沸騰して胃を膨脹させるから直ぐ癒る。吃逆は筋肉が攣き釣るのだから反対に膨脹させるのが一番だ。早く持って行って飲ませ給え」と二包の薬を与えけるに大原は有り難しとて帰り去りぬ。お登和嬢も窃に胸を撫下したり。広海子爵は新しき智識を得たる心地して「中川さん、頑固な吃逆は随分困るものです。酒石酸を先へ飲んで炭酸曹達を跡から飲むと癒りますかね。何でもそういう事は心得ておかねばなりませんな。我輩なぞは天下国家をどうするとかこうするとか、無闇に粗大な迂闊な問題にばかり空騒ぎをして自分の腹の中を治める事が出来なかったのです。