Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.435 Zeichen · 329 Bildschirme
その翌日は残肉料理に使えますから便利で経済です。西洋料理を贅沢だという人は西洋料理の拵え方を知らないからです。同じ魚でも西洋料理では下等の魚を上等の御馳走にする事が出来ます。この頃はムツの子が沢山取れて直段も廉いようですがあれなんぞは日本料理にしてあんまり美味しい魚でありません。西洋料理のシタフェにするとなかなか結構に食べられます。シタフェとは魚を背から割て骨を抜き出しておいて、別にムツの子の肉ばかりを取って裏漉しにして玉子の黄身一つと水で絞ったパン少しと生の赤茄子半分位と塩胡椒とパセリの細かく切ったのかあるいは葱の細かく切ったのとバター小匙一杯位と皆んなよく混ぜて今の魚の腹へ詰めて、切口をザット木綿糸で縫って上へバターを塗ってテンピで三十分焼くのです。全体このシタフェには甘鯛が第一等で鯛でも鱸でも何でも出来ますが、ムツの子をこうしても中の物の味が魚へ浸みて大層美味しゅうございます」と語る者も聞く者も夢中になりて夜の更くるを忘れたるが父の子爵娘を促し「玉江や、モー十二時だよ」玉江「オヤマア、大変にお邪魔をしましたね」と遂に両人とも暇を告げて辞し去りぬ。