Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.435 Zeichen · 329 Bildschirme
柔い事といったら肉も骨も口へ入れて溶けるようだろう。君に言わせたらあんまり歯応えがないかもしれん。アハハ」と説明を聞きて大原より広海子爵が物珍らしく感じ「中川さん、その新式の孵卵器があれば我々にでも出来ますか」中川「出来ますとも、試して御覧なさい。鶏でも家鴨でも鶉でも燕でも何の卵でも好き自由に孵化ります。玉子五十個入で三十円も出せば軽便なのがあります。孵化すだけは誰にでも少し馴れば楽ですが雛を育てるのがなかなか面倒でそれがためには仮母器という物も要りますし食物の分量や病気の予防なんぞに手がかかります。しかし上流社会の婦人の慰みには鶏の雛を育てるのが興味もあり利益もあり、自然と育児法の秘訣を悟る事もあるので西洋婦人中には大層この事が流行するそうです。女の子の遊び事にしても玉子を孵化して雛にしたり雛を育てて大きくしたりする事は高尚優美な楽みを与えて自然と科学上の智識を覚えさせるようになります。友禅の衣服一枚買って遣る代価で新式の孵卵器が買えるのですけれどもさて孵卵器を娘に買って遣ろうというような親は滅多にありません。玉江さん、一つ阿父様におねだり遊ばして五十個入の孵卵器を買ってお戴きなさい」