Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
を取出し、彼のまえに差しだした。
「将軍。これをお譲りしましょう。陶太守の逝去の後、この地を管領する人がないため、やむなく私が代理していましたが、閣下がお継ぎ下さればこれに越したことはありません」
「えっ、それがしに、この牌印を」
呂布は、意外な顔と同時に、無意識に大きな手を出して、次にはすぐ、(しからば遠慮なく)と、受取ってしまいそうな容子だったが、ふと、玄徳のうしろに立っている人間を見ると、自分の顔いろを、くわッと二人して睨みつけているので、
「ははははは」と、さり気なく笑って、その手を横に振った。
「何かと思えば、徐州の地をお譲り下さるなどと、あまりに望外過ぎて、ご返辞にうろたえます。――それがしは元来、武弁一徹、州の吏務をつかさどるなどということは、本来の才ではありません。まあ、まあ」
と、云いまぎらわすと、側にいた彼の謀臣陳宮も、口をあわせて辞退した。
四
そこから劉玄徳は先に立って、呂布の一行を国賓として城内に迎え、夜は盛宴をひらいて、あくまで篤くもてなした。
呂布は、翌る日、
「その答礼に」と、披露して、自分の客舎に、玄徳を招待したいと、使いをよこした。