Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
三
「天地ひらけて以来、まだ獣族の長く栄えたる例はなし。たとい、一時は人政を紊し、暴力をもって権を奪うも、末路は野鼠の白骨と変るなからん。――醒めよ、われは、日月の幡を高くかかげ、暗黒の世に光明をもたらし、邪を退け、正を明らかにするの義軍、いたずらに立ち向って、生命をむだに落すな」
聞くと、程遠志は声をあげて、大笑し、
「白昼の大寝言、近ごろおもしろい。醒めよとは、うぬらのこと。いで」
と、重さ八十斤と称する青龍刀をひッさげ、駒首おどらせて玄徳へかかってきた。
玄徳はもとより武力の猛将ではない。泥土をあげて、蹄を後ろへ返す。その間へ、待ちかまえていた張飛が、
「この下郎っ」
おめきながら割って入り、先ごろ鍛たせたばかりの丈余の蛇矛――牙形の大矛を先につけた長柄を舞わして、賊将程遠志のの鉢金から馬の背骨に至るまで斬り下げた。
「やあ、おのれよくも」
賊の副将茂は、乱れ立つ兵を励ましながら、逃げる玄徳を目がけて追いかけると、関羽が早くも騎馬をよせて、
「豎子っ、なんぞ死を急ぐ」
虚空に鳴る偃月刀の一揮、血けむり呼んで、人馬ともに、関羽の葬るところとなった。
賊の二将が打たれたので、残余の鼠兵は、あわて乱れて、山谷のうちへ逃げこんでゆく。