Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
二
けれど、先頭の玄徳、張飛、関羽の三人だけは、人目をひいた。威風が道を払った。土民らの中には土下座して拝する者もあった。
拝されても、嘲弄されても、玄徳はいずれにせよ、気にかけなかった。自分が畑に働いていた頃の気持をもって、土民の気持を理解しているからだった。
二
駒を並べてくる関羽と張飛とはまだ朱雋の無礼を思い出して、時々、腹が立ってくるものとみえ、官軍の風紀や、洛陽の都人士の軽薄を、しきりに声を大にして罵っていた。
「およそ嫌なものは、官爵を誇って、朝廷のご威光を、自分の偉さみたいに、思い上がっている奴だ。天下の紊るるは、天下の紊れに非ず、官の廃頽によるというが、洛陽育ちの役人や将軍のうちには、あんなのが沢山いるだろうて」
と、関羽がいえば、
「そうさ。俺はよッぽど、朱雋の面へ、ヘドを吐きかけてやろうと思ったよ」と張飛もいう。
「はははは。貴公のヘドをかけられたら、朱雋も驚いたろうな。しかし彼一人が官僚臭の鼻もちならぬ人間というわけではない。漢室の廟堂そのものが腐敗しているのだ。彼は、その中に棲息している時代人だから、その悪弊を持っているに過ぎない」