Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
三
いわれるまでは、特に、曹操に対しても、感服する気にはなれなかったのである。
「ヤ。旗が見える」
そのうちに、彼らの部下は、こういって指さし合った。玄徳は、馬を止めて、
「なにが来るのだろうか」と、関羽をかえりみた。
関羽は、手をかざして、道の前方数十町の先を、眺めていた。そこは山陰になって、山と山の間へ道がうねっているので、太陽の光もかげり、何やら一団の人間と旗とが、こっちへさして来るのは分るが官軍やら黄巾賊の兵やら――また、地方を浮浪している雑軍やら、見当がつかなかった。
だが、次第に近づくに従って、ようやく旗幟がはっきり分った。関羽が、それと答えた時には、従う兵らも口々に云い交わしていた。
「朝旗をたてている」
「アア。官軍だ」
「三百人ばかりの官軍の隊」
「だが、おかしいぞ、熊でも捕まえて入れてくるのか、檻車をひいて来るじゃないか」
三
大きな鉄格子の檻である。車がついているので驢にひかせることができる。まわりには、槍や棒を持った官兵が、怖い目をしながら警固してくる。
その前に百名。
その後ろに約百名。
檻車を真ん中にして、七旒の朝旗は山風にひるがえっていた。