Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
と、現皇帝の廃位と陳留王の即位推戴のことを、突然、いいだした。
熱湯が冷めたように、饗宴の席は、一時にしんとしてしまった。
「…………」
「…………」
誰も彼も、この重大問題となると唖のように黙ってしまった。
すると、一つの席から、
「否! 否!」と叫んだ者がある。
中軍の校尉袁紹であった。
袁紹は、敢然、反対の口火を切っていった。
「借問する! 董将軍。――あなたは何がために、好んで平地に波瀾を招くか。一度ならず二度までも、現皇帝を廃して、陳留王をして御位にかわらしめんなどと、陰謀めいたことを提議されるのか」
董卓は、剣に手をかけて、
「だまれっ。陰謀とは何か」
「廃帝の議をひそかに計るのが陰謀でなくてなんだ」
袁紹も負けずに呶鳴った。
董卓はまッ青になって、
「いつ密議したか。朝廷の百官を前において自分は信ずるところをいっておるのだ」
「この宴は私席である。朝議を議するならば、なぜ帝の玉座の前で、なお多くの重臣や、太后のご出座をも仰いでせんか」
「えいっ、やかましいっ。私席で嫌なら、汝よりまず去れ」
「去らん。おれは、陰謀の宴に頑張って、誰が賛成するか、監視してやる」