Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
死屍の感はすこしもなく、生けるように美しかった。
呂布の煩悩は、果てしなく醒めなかった。彼の一本気は、その煩悩まで単純であった。
きのうも今宵も、彼は飯汁も喉へ通さなかった。夜も、後園の小閣に寝た。
月は晦い。
晩春の花も黒い。
懊悩の果て、彼は、貂蝉の胸に、顔を当てたままいつか眠っていた。ふと眼がさめると、深夜の気はひそとして、闇の窓から月がさしていた。
「おや、何か?」
彼は、貂蝉の肌に秘められていた鏡嚢を見つけて、何気なく解いた。中には、貂蝉が幼少から持っていたらしい神符札やら麝香などがはいっていた。それと、一葉の桃花箋に詩を書いたものが小さく折りたたんであった。
詩箋は麝香に染みて、名花の芯をひらくような薫りがした。貂蝉の筆とみえ、いかにも優しい文字である。呂布は詩を解さないが、何度も読んでいるうちに、その意味だけは分った。
女の皮膚は弱いというが
鏡にかえて剣を抱けば
剣は正義の心を強めてくれる
わたしはすすんで荊棘へ入る
父母以上の恩に報いる為に
またそれが国の為と聞くからに
楽器を捨て、舞踊する手に
匕首を秘めて獣王へ近づき
遂に毒杯を献じたり、右と左にそして最後の一盞にわれを仆しぬ