Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
長安の周囲の外城をかため、塁の上に塁を築き、溝はさらに掘って溝を深くし、いくら寄手が喚いて来ても、「相手にするな」と、ただ守り固めていた。
百日も経つと、寄手の軍は、すっかり意気を沮喪させてしまった。糧草の欠乏やら、長期の滞陣に士気は倦み、あげくの果てに、雨期をこえてからおびただしい病人が出たりして来たのである。
機をうかがっていた長安の兵は、一度に四門をひらいて寄手を蹴ちらした。大敗した西涼軍は、ちりぢりになって逃げ走った。
すると、その乱軍の中で、并州の韓遂は、右将軍の樊稠に追いつかれて、すでに一命も危うかった。
韓遂は、苦しまぎれに、以前の友誼を思い出してさけんだ。
「樊稠樊稠っ。貴公とわしとは同郷の人間ではないか」
「ここは戦場だ。国乱をしずめるためには、個々の誼みも情も持てない」
「とはいえ、おれが戦いに来たのも、国家のためだ。貴公が国士なら、国士の心もちは分るだろう。おれは君に討たれてもよいが、全軍の追撃をゆるめてくれ給え」
樊稠は、彼のさけびに、つい人情にとらわれて、軍を返してしまった。
翌日、長安の城内で勝軍の大宴がひらかれたが、その席上、四将の一人李は、樊稠のうしろへ廻って、