Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Lisez 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 224 569 caractères · 451 écrans

Aozora Bunko

「おい婆さんや今帰ったよ」

門口に立って声を掛け、蓆を開いて内へはいったが、誰もいないか森閑としている。

大きな囲炉裏、自在鉤、焚火がドカドカ燃えていて、茶釜がシンシンと煮えている。板敷きに円座が二三枚、奥にも部屋があると見えて、仕切りに茣座がつるしてある。屋内は暗く煤ぶれ返り、四方の荒壁にはひびがはいっている。

円座へ坐った宗三郎、白湯で咽喉をうるおした。

と、その時どこからともなく、祝詞の声が聞こえて来た。

「はてな?」と思って耳を澄ますと、隣りの部屋から来るらしい。「これは不思議」と立ち上り、仕切りの茣座を掲げて見た。

「むう」と唸ったものである。思いもよらない光景が、展開されていたからである。

真正面に白木造りの神棚、点し連らねた無数の燈明、煙りを上げている青銅の香炉、まずそれはよいとして、神号を見れば薬師如来、それと並んで掛けられた画像! 白髪白髯鳳眼鷲鼻、それでいてあくまで童顔であり、身には粗末な襤褸を着、手に薬草を持っている。一見すると支那の神農、しかし仔細に見る時は、紛れもない日本人、それも穢い老乞食、だが全幅に漲る気品は、奕々として神のようである。