Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lisez 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 224 569 caractères · 451 écrans
黙々と車を曳いて行く。御岳から都会へ下りて以来、一言も物を云わないのである。だが決して唖者ではない。聞くことばかりを欲していて、云うことを欲していないのらしい。営々として仕事をし、倦むことを知らない人間らしい。それが彼には満足と見える。
奉仕は人をして無言にする! 彼はその種の人間らしい。
海岸の道は歩きにくい。岩、貝殻、石ッコロ、芥や海草で一杯である。道人は跣足で歩いて行く。ちっとも苦痛を感じないらしい。
「道人様、道人様」紅丸やがて呼びかけた。「どこへおいでになるお意りで?」
「さあてね、どこへ行こう」
「それでは宛てがございませんので?」紅丸どうやら不安らしい。
「宛てっていったいどんなことかな?」道人一向平気である。
「宛てとは宛てのことでございますよ」紅丸喧嘩でも吹っかけそうだ。
「ナニサ俺だって知っているよ、その宛てという変なものをな。だが宛てという変なもの、きっと裏切られるという約束の下に、ヒョロヒョロ突っ立っているのでな、昔から俺は好まなかったよ。それだのに世間の人達は、むやみと宛てにばかり取り縋っているなあ。そうしてはいつも裏切られてばかりいるよ。