Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
「伊賀のやつらは、あの子供をそのままにして行ってしまったとみえるな」
「ウム、いかに連れ去ろうとしても、あの、左膳の落ちた穴のまわりにへばりついておって、どうしても離れようとせんのだ。だいぶ手古摺っておったようだが」
「そこへ、町人体に姿をやつした拙者らが、弥次馬顔に出かけていって、斬りあいを聞きつけて役人どもが、出かけてくるところだと言いふらしたら、かかりあいになるのを恐れて、そのまま逃げちっていった。アハハハハハ」
まったく。
高大之進の尚兵館組と、結城左京等の道場立てこもりの一統とは、底も知れない穴へ左膳がおちこんだのをこれ幸いと、泣きさけぶチョビ安をそのままに、そうそう引きあげてしまったのだ。
この物置小屋から出ていった司馬道場の弟子どもが、町人、百姓姿の口々から、役人きたるとさけんだのに驚いて。
また、その左膳のおちた地中に、自分らの探しもとめる主君柳生源三郎が、同じくとじこめられていようとは、夢にも知らずに。
「父上! あがってこられない? 父上!」
と、それからチョビ安は、こう叫びつづけて、穴の周囲を駈けてまわっているうちに。
めっきり長くなった日も、ようやく夕方に近づき、三方子川の川波からたちのぼる薄紫の夕闇。