Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
三
「さればサ、どこからともなくフラフラッと、鹿沼新田のお関所にさしかかったと申すことじゃ」
「捕えてただしてみても、何を言うやらさっぱり要領を得ぬ。引き渡そうにも、身もとは知れぬし、と言って、ああいう者をさまよわせておいては、清浄森厳であらねばならぬ御造営の眼ざわりじゃ。造営奉行の面目にもかかわる」
「追放すればよいではないか」
「サ、それがさ、貧しい旅の服装ではあるが、顔姿、言葉のはしはしなど、武家も大どころの者らしいふしが、ないでもない。このまま山から追い出して、あとでひょんなかかりあいにでもなろうものなら、この御修営に疵がつこうというもの」
「ははあ、それでわかった。自ままに町を歩かせては人さわがせ、追い出すこともならず、というわけで、ああしてあの一軒家にとじこめ、われらを見張りにつけておくのじゃな。厄介な者がとびこんできたものじゃなア」
「しかしまア、相手は狂人と馬鹿娘のことだ。家から出しさえせねばよいのじゃから、遊び半分の楽な役まわりをおおせつかったというものじゃテ」
草むらにあぐらをかいた下役どもは、ひなたぼっこと雑談を仕事と心得て、こうガヤガヤ話しこんでいる。