Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
三
「オオ、とうとうひとつ出会ったぞ」
と足をはやめ、それからずっとあとになりさきになり、ここまでからみ合ってきたのですが。
沼津の町を駆け抜けた左膳、ここに先まわりして、行列の来るのを待ちかまえていたのだ。
名にし負う千本松原……。
店開きにはもってこいの背景だと、たちあがった左膳、ガサガサ藪を分けて松のなかを進んでゆく。
まるで友達とでも話しにゆくようだ。
変な浪人が現われたナ、とじっと立ちどまってこっちを見ている竹田へ、左膳引きつったような笑顔で話しかけた。
「どなたのお壺かな?――イヤ、誰の壺でもかまわねえ。ひとつ、口あけだ。威勢よく斬らせてもらおうじゃアねえか、なア」
左の手は、相変わらず懐中にのんだままだ。
丹下左膳、頼むようにそう言った。
三
剣意しきりに動く丹下左膳。
こういうときの左膳は、ふだんとグッと人が変わるのである。へいぜいは石炭がらのように、人ざわりのガラガラした、無口な、変な隻眼を光らせている男だが……。
腰間の濡れ燕に催促されて、「人が斬りたい、人が斬りたい!」と、ジリジリ咽喉がかわくような気分になったときの丹下左膳は。
とてもにこやかな、やさしい人間になるんです。