Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
五
だが、このほかにもう一人。
うば玉の暗黒よりも濃い心の暗闇に、すすり泣きの音をこらえている女がひとり――それは、次の間のふすまのかげに、この一伍一什をもれ聞いたこの家の娘、お露でした。
思う源三郎には、自分よりさきに、あんなにあの方をしたっているこの萩乃とやらいう美しいお嬢様がある……と知って、彼女の心は暁闇にとざされたのでした。
萩乃は萩乃で、こんなにまでしたっている源三郎が、すこしもその愛の反応を見せてくれないのが、まるで、くらやみの山道に迷ったように、こころ寂しい。
当の源三郎は……。
たぶんに不良性のある彼のことだ、萩乃にしろ、お露にしろ、女という女には、面とむかえば、おざなりに、すいたらしい言葉の一つや二つは吐こうというものだが、そのすぐあとで、けろりと忘れてしまうのが、この源三郎の常なので。
女にかけては悪魔的な源三郎。それに思いを寄せるとは、萩乃もお露も、因果なことになったものといわなければなりません。
それよりも。
恋する女を友情ゆえに、思いきるばかりか、こうして自分がなかだちとなって、その二人をまとめてやろうとする丹下左膳の心中、そのつらさはどんなでしょう! 四人四様に黒い霧のような心の暁闇。