Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

七

制止した武士は、そのまま棒を斜にかまえて、

「念のために、もう一度きくぞ。たしかにそのほうどもは、母娘に相違あるまいな」

親子と言われることは、このごろ急に母性愛に眼ざめたお蓮様には、何ものよりもうれしいので。

眉の剃りあとの青い、美しい顔を、思わずニコニコほころばせるのも、あながち、番人へのお追従だけではない。

「はい。あなた様のお目にも、まぎれもなく母と娘と見えますでございますか。まア、なんというありがたい――」

「コレコレ、妙な挨拶だな。確かにこの児そのほうの娘かと、きいておるのじゃ」

「マア、妙にお疑り深いお言葉。誰がなんと申しても、このお美夜はわたくしの一人娘、わたくしはお美夜のただ一人の母。どっちから申しても同じこと。サ、女旅で先を急ぎまする。おうたがいが晴れましたら、どうぞ、お通しのほどをお願いいたしまする」

お美夜ちゃんもそばから、

「ねえ、母ちゃん、このお侍さんにおねがいして、早くとおしてもらいましょうよ」

じっと二人のようすを見守っていた関所番人は、今このお美夜ちゃんの言葉を聞くと、グッと大きく一人でうなずき、

「ヨシヨシ、いま手形を書いてやるから、そこに待っておれ」