Classici giapponesi con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate
「アッ」と声を上げたのは、高股を打たれた幹之介で、グタグタと地上へへたばった。
「ク、くたばれーッ」と薪十郎、気勢に乗って拝み打ち、シ――ンと真っ向から打ち下ろした。
が、そうそうは狙いが取れない、打ち外した杖で大地を叩き、痲痺が腕へ伝わったか、ボロリと杖を落としてしまった。
「いけねえ」
と周章てて腰をかがめ、拾おうとしたが間に合わなかった。へたばったままの横手払い、幹之介の払った太刀が極まり、右胴を深く割り付けられた。
「キ、切ったなアーッ」と悲鳴したが、傷口を抑えて薪十郎、ヌ――ッと横仆しに転がった。「キ切ったなアーッ、切ったなアーッ」
血が流れ出る流れ出る!
「キ、切ったなアーッ」と呻き声。次第次第に細って行く。顫える全身、致死期の痙攣、「キ、切ったなアーッ」とまた喚く。
ヒョロヒョロと立ち上がった幹之介、片手で痛み所を抑えたが、片手でダラリと太刀を下げ、放心したような据えた眼で、茫然と薪十郎を眺めやった。刀身を伝わって切っ先から、タラリと血潮一滴! つづいてタラタラと滴った。
空は紅! 火事の火だ! そいつが上から照らしている。横から射しているは常夜燈、青々として他界的だ! その中に立った幹之介、幽鬼のような姿である。