Classici giapponesi con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate
心の傷と肉体の傷
狂気じみた声である。
「そうだよ」と云った幹之介の声、寂しくて穏かで思慕的である。
「怨みの場所だ!」と薪十郎、ヌーッと首を突き出した。見えぬ両眼をカッとむき、前方を睨んだものである。「ワ、わっしゃア、やられたんだ! ここで、この眼を、あの女に!」グタグタと縁へ崩折れたが、「ここまで女を追って来てねえ」
「俺もそうだよ」と幹之介、独言のように呟やいたが、ジーッと腕をこまぬいて、「あの晩お城から抜け出して、ここで一夜を待ち明かしたものだ。ところが女は来なかった」
「わっしア怨みを晴らしたいんで!」
「俺は思いをとげたいのだ!」
「逢ったが最後、わっしア殺す!」
「俺はな」と幹之介うっとりと、「逢ったが最後二人で活きる」
「眼は真っ暗だが心は明るい! 怨みの青火が燃えているんだ」
「俺とはまるで反対だなあ。俺の両眼は明るいが心は迷妄で真っ暗だよ」
「旦那ア」と薪十郎呻くように、「女ア総体に悪党ですなあ」
「うむ」と云ったが瞑目した。「強い力を持っているよ」
「魔物だ魔物だ! 女ア魔物だ!」
「人の心を痺れさせるなあ」
「旦那ア」と薪十郎また呻いた。「わっしア棒に振ったんで! 役者をね! 女のため!」