Classici giapponesi con furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate
またも逢った「恋」と「怨み」
「こいつもみんなあいつのためだ! 逢って怨みを晴らしてえなあ」ピョコリとここで首を上げた。「待てよ、こいつ、飛んだことになったぞ! 盲目、盲目、俺は盲目だ! とすると何んにも見る事ア出来ねえ。たとえ八重梅と擦れ違っても、それと感付くことも出来ねえ。ううむ、こいつ、困ったなあ」
またションボリと首を垂れた。
上からは火事の真っ赤の光、横からは常夜燈の蒼白い光、そいつに照らされた薪十郎の姿、胸が窪んで肩が落ち、腰から下に力がなく、痩せ細ってまるで亡霊である。
「ナーニ」というと意気込んだ。「肉眼はなくとも心眼がある! 怨みの青火だって燃えている、探さないで置くか! こいつで照らし!」
そこでコツコツと歩き出した。社殿の方へ歩いて行く。
と、この時町の方から、またも一つの人影が、フラフラと社地へはいって来た。何んと志水幹之介ではないか! 懐中手をして首を垂れ、ここを歩いてはいるけれど、思いは遠い彼方にある――と云ったように歩いて来る。空を見ようともしなかった。四方を見ようともしなかった。足もとばかりを見詰めている。社殿の方へ歩いて行く。彷徨って行くと云った方がいい。