Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にんきょうにとうりゅう

任侠二刀流

国枝 史郎

Leggi 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.569 caratteri · 451 schermate

Aozora Bunko

谷から立ち昇る焚火の煙り

小銭を懐中から取り出した。

「馬鹿にしているよ、六文じゃあないよ。六文買いたけりゃあ螢ヶ丘へ行きな。その代り鼻がおっこちるよ。三つばかり鼻の掛け換えがあったら、大丈夫だよ、行くがいいや。憚りながら妾はね、まだ立派な生娘さ、聾者のお六って聞いてごらん、神代原から萩原かけ、知らない人はありゃあしないよ。見ればお前は他国者だね、だから妾を知らないのさ、つんぼのお六だよ、ああつんぼのね」

萩原の方へ走り去った。後を見送った伊集院。

「あッ、そうか、つんぼだったのか?」

谷から立ち昇る焚火の煙り

聾者にひっかかった伊集院五郎、苦笑いをして歩き出した。「早く気が付けばよかったのに、俺も随分智慧がないな。聾者の上にお喋舌りと来ては、いかな俺にも苦手だよ。他人の云うことは耳に入らず、自分のことだけ喋舌りまくる。なるほどなあ、いい方法だ、これで世間が暮らせたら、実際浮世は住みやすい。ところが実世界は反対だ、自分の思っている本当のことなど、一言といえども口には出せない。それでいて他人の悪い事なら、のべつに耳へはいって来る。収賄、ごまかし、弱い者いじめ! 正直に浮世を暮らそうとすれば、窒息しなければならないだろう。