Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

二

そう思うせいか、ぽっと、虹いろの暈まで映して美しい。

「もしや、又八じゃないか」

そう思うともう、筆も持っていられない。彼女は恍惚と、愚かなる子の面影をえがいて、半刻や一刻は、身も世もわすれてそれのみを考えていた。

がさっ――と裏口で何やら物音がして、ばばの、うつつを醒ました。また悪戯な鼬でもはいって、台所を荒しているのであろうと、ばばは、灯を持って立って行った。

さっき、男が置いて行った野菜物の上に、何か、手紙のような物が見える。何気なく披いてみると二枚の黄金がつつんであって、その包み紙に、

まだ会う顔も候わず、もう半年ばかりの不孝、平におゆるしをと、そっと窓よりお別れを告げて、立ち去り申し候

又八

と書いてあった。

二

草を蹴って駈けて来た一人の殺伐な風を帯びた侍が、

「浜田、違ったのか」

と、寄って来るなり喘いでいった。

大川端に立って、河原を見まわしていた方の侍は二人で、浜田とよばれたのは、まだ部屋住みらしい若者で、

「むむ……違った」

と、呻きながら、なお、何者かを探すように、ぎらぎらと眼をくばっていた。

「たしかに、彼奴とみえたが」

「いや船頭だった」