Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

二

月ヶ瀬の梅花はまだ浅い春だったが、自分の春は過ぎようとしている。女の二十五を越えては――。

「もう帰りましょう。丑之助さん。元の道へ、返っておくれ」

丑之助は、飽気ない顔したが、いわるるまま牛の頭を向け直した。――と、何処かで、オオーイと呼ぶ声がその時聞えた。

二

さっきの牢人と、他にもう二人、同じ風体の男が近づいて来て、お通の乗っている牛のまわりに、腕拱みして立ったのである。

「おじさん達。呼び止めて、何か用があるのかい」

丑之助はいったが、丑之助へは振り向く者もない。三人が三人とも、卑しげな眼をお通へ集めて、

「なるほど」

と、呻き合っている。

そのうちに、一人がまた、

「ウーム、美人だ」

と、不遠慮にいって、

「――おい」

と、仲間を顧みた。

「おれはこの女を、どこかで見た覚えがあるぜ。多分、京都だと思うが」

「京都にはちがいあるまい。見るからに山里の女とはちがう」

「町でちらと見ただけか、吉岡先生の道場で見たのか、覚えはないが、慥かに見たことはある女だ」

「おぬし、吉岡道場などに、いたことがあるのか」

「いたとも、関ヶ原の乱後、三年ほどはあそこの飯を喰っていたものだ」