Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

五

「じゃあ、呼んで来てくれないかなあ」

「オ……。ちょうどよい。お庭口から彼方へ行くのは、それらしいぞ」

「あっ。お通さんだ」

丑之助は、駈けて行った。

いつもお菓子をくれたり、優しい言葉をかけてくれる人である。それに山家の少年の眼から見ると、この世の人とも思えない神秘な美しさを感じるのであった。

その人は振向いて、遠くからにこと笑った。丑之助は駈け寄って、

「鶯を捕って来た。お通さんに上げるよ、これ――」

と、苞を出して見せた。

「え。鶯……」

さぞ欣ぶかと思いのほか、彼女が眉をひそめたまま手を出さないので、丑之助は不平顔をした。

「とても美い啼きをする奴なんだぜ。お通さんは、小禽を飼うのは嫌いかい?」

五

「嫌いではないけれど、苞に入れたり、籠に入れたり、鶯が可哀そうですもの。籠に入れて飼わなくても、ひろい天地に放しておけば、いくらでも美い音を聞かしてくれるでしょ……」

彼女が、諭すと、自分の好意を受けられなかったように不満だった丑之助も、

「じゃあ、放しちまおうか」

「ありがとう」

「放したほうが、お通さんは、欣しいんだろ」

「ええ。おまえが持って来てくれた気持は受けておきますから」