Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

二

振り顧ると、連れの紐売りと同じような恰好をした旅商人の者がまたひとり、駈けて来て、

「杉蔵。ひどいじゃないか」

追いついて来るなり、息を喘いていう。

「――今朝立つ時誘ってくれるというで、天野村の口で待っていたに、何で黙って行っちまうだ」

「アア源助か。……いや、すまないすまない。藤六どんとこのお客と連れになったもんで、うっかり声をかけるの忘れちもうた。ははは」

と、頭を掻いて、

「あまり旦那と、話がもててしまったもんで――」

と、権之助の顔を見て、また笑った。

やはり打紐の売子仲間とみえ、その男と、旅先の売上だの、糸の相場のことなど、頻りと喋舌り合っていたが、そのうちに、

「ア。あぶねえ」

と、二人とも立ち止まった。

太古の大地震で割れた痕のような断層の断れ目に、無造作な丸木が二本渡してあった。

二

「どうしたのか?」

と、二人の後ろへ寄って、権之助もそこに立つ。

旅商人の杉蔵と源助は、

「旦那、ちょっとお待ちなさいまし。ここの丸木橋が壊れていて、ぐらつきますで」

「崖崩れか」

「それ程でもありませんが、雪解に石ころが落ち込んだまま、直してもないのでさ。往来人のため、ちょっと、動かないようにしますから、少し休んでいてください」