Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
四
「まだ三十にならぬ身が、道のみの字でも、分ったなどと高言するようじゃったら、もうその人間の穂は止まりよ。十年先に生れながら、野僧なども、まだまだ、禅などと話しかけられると、背すじが寒い。――だがふしぎと、世間がこの煩悩児をつかまえて、法を聴聞したいの、教えを乞いたいのという。お許など、買いかぶられていないだけに、わしよりは、素裸じゃな。法門に住んで怖いのは、人を、ややともすると、生仏かのように、崇めこむことじゃよ」
ふたりが、話に熱しているまに、いつか、膳や銚子などが、運ばれて来ていた。
「……おう、そうそう。安房どの、亭主役じゃ。もう一方の客をお呼びして、武蔵どのへ、紹介せてもらいたいの」
と、沢庵が気づいていう。
膳は、四客分くばられてある。そしてここにいるのは、沢庵、安房守、武蔵と三名だけである。
姿の見えぬもう一名の客とは誰か?
武蔵には、もう分っていた。しかし彼は黙って控えていた。
四
沢庵にそう催促されると、安房守は、少しあわてた顔いろで、
「お呼びするかの?」
と、ためらった。
そして、武蔵の方を見て、
「ちと、こちらの画策が、其許に見事、観やぶられた形でな――。