Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
魔の眷属
一
魔の眷属
一
犬は、三峰のお使いであるというので、山では、権現様の御眷属とよんでいる。
山犬のお札だの、山犬の木彫だの、山犬の陶器だの――を参籠者が下山の折、買ってゆくのもそのためである。
また、ほんもののお犬もこの山には沢山いた。
人に飼われ、崇められてもいるが、この山中にいるので、自然生物を喰い、まだ山犬の本質が脱けきれていないような、鋭い牙を持った犬ばかりである。
それらの眷属の祖先は、千余年前、大集団で、海の彼方から武蔵野へ移住して来た高麗民族の家族と共に、移って来たものと、それより以前から、秩父の山にいた純坂東種の山犬と、そう二種類の結合された血をもっている猛犬だということであった。
それはとにかく。
――武蔵の姿を別当の観音院の前まで尾行てきた男の手にも、一匹の犬が麻縄で曳かれている。今、男が闇へ手招きすると、犢のような黒犬も共に、闇の方を見てくんくんと鼻を鳴らし始めた。
彼が常に嗅ぎ馴れている人間のにおいが、近づいて来たせいであろう。
「しッ」
と、飼主は、手綱をちぢめて、尾を振る尻を一つ打った。
その飼主の顔も、狛犬に劣らない獰猛な容貌をそなえていた。