Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
三
そして程なく、覚えのある杉ばやしを彼方に見、もう十町も行けば、いつぞやの暴風雨にこわれた草庵の跡――と、心をおどらして駈けだしたのである。
すると彼の前に、横手をひろげた者がある。横道からふいに出て来た城太郎であった。伊織はとたんに、頭から水を浴びたような気がしたが、ここまで来ればもう自分の国のように気が強かったし、逃げてもだめだと思ったので、跳び退きながら、腰に帯びている野差刀を抜きはらい、
「ア、畜生」
と、獣が出て来たように、空を切って、罵った。
三
刃物を抜いたにしろ、多寡の知れたチビと見くびって、城太郎は無手でいきなり跳びかかった。
襟がみをつかんでしまうつもりであったが、伊織は、
「――ちイ!」
と、さけびながら、城太郎の小手をすりぬけて、横へ十尺も跳びのいてしまった。
「いぬの子!」
城太郎は、忌々しい顔をして、迫って行ったが、ふと、自分の右手の指先から、たらたらと温いものが垂れるので、何気なく肱を上げてみると、二の腕あたりに二寸ばかりの太刀傷をいつのまにか受けていたのであった。
「ヤ。やったな」
城太郎は伊織を睨む目を新たにした。伊織は、いつも武蔵から教えられた通りに刀を構えた。