Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

四

と、又八がいう。

「お長いなあ」

呟きながら、ふたりは、背をならべて、矢矧の大橋を睦まじそうに、渡って行った。

四

対岸の松の丘に、古い禅刹があった。その辺りを八帖山というせいか、八帖寺と寺の名も称ばれている。

「どうだな又八。禅寺の修行というものは、なかなか辛いものだろう」

そこの山門へ向って、暗い坂道を登って行きながら、武蔵がいうと、

「辛い――」

又八は、正直に、青い頭を垂れて答えた。

「何度も、逃げ出そうと思ったり、こんなにも、辛い思いをしなければ、人間になれないなら、いっそ首でも縊ろうかとさえ考える時もある」

「まだまだおぬしは、禅師へおすがりして、入門の許しを得た弟子ではないから、そこらはほんの修行の初歩だ」

「しかし――お蔭でこの頃は、弱い気持が出ると、これではならぬと、自分で自分を、鞭打つことができるようになった」

「それだけでも、修行のかいが目に見えて来たわけだな」

「苦しい時には、いつもおぬしを思い出すのだ。おぬしでさえ、やり越えて来たこと、おれに出来ぬわけはないと」

「そうだ。わしがしたこと。おぬしに出来ぬことはない」

「それと、一度死ぬところを――沢庵坊に救われた生命と思い、また、江戸町奉行所で、百叩きにされた――あの時の苦しみを思い出しては――何を、何をと、今の修行の辛さと朝夕闘っている」