Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
武士は名を尊ぶ。名を汚した武士には、末世末代、救いはない」
「そんならなぜ仏様は、悪人も忠臣も、同じみたいなことをいうんですか」
「人間の本性そのものは皆、もともと、同じ物なのだ。けれど、名利や慾望に眼がくらんで、逆徒となり、乱賊となるもある。――それも憎まず、仏が即心即仏をすすめ、菩提の眼をひらけよかしと、千万の経をもって説かれているが、それもこれも、生きているうちのこと。――死んでは救いの手にすがれぬ。死してはすべて空しかない」
「ああそうか」
分ったような顔して、伊織は、急に声に弾みを出していった。
「――だけど、武士は、そうじゃないでしょ。死んでも、空ではないでしょう」
「どうして」
「名が残るもの」
「うむ!」
「悪い名を残せば悪い名が、――いい名を残せばいい名が」
「むむ」
「白骨になってもね」
「……けれど」
と武蔵は、彼の純真な知識慾が、一途に呑みこんでしまうことを惧れて、それにまたいい足した。
「だが、その武士にはまた、もののあわれというものがある。もののあわれを知らぬ武士は、月も花もない荒野に似ている。ただ強いのみでは、おとといの晩の暴風雨も同じだ。