Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

「小僧っ」

「…………」

「翼がなければもう逃げられぬぞ。生命を助けてくれといえ。そしたら、助けてやらぬこともない」

「…………」

梢の股に、伊織の影は、小猿みたいに縮まっていた。

そろ、そろ、と下から城太郎は登り詰めて行った。だが、飽くまで伊織が黙っているので、その足のあたりへ手を伸ばし、踵をつかもうとしたのである。

「…………」

伊織はなお、黙ったまま、もう一つ上の枝へ足を移した。で、城太郎は、彼が足を退けた枝へ両手をかけ、

「うぬ」

と、身を伸ばしかけると、伊織は待っていたように、右手に隠していた刀で、その横枝の股を発矢と上から撲った。

生木の枝は、刃を当てられると共に、城太郎の重量を加えて、めりッと大きな響きを発し、あッと彼の影が、木の葉の中でよろめいたと思うと、幹を離れた枝と城太郎の体は、一つになってどさッと大地へ落ちて行った。

「どうだ、泥棒」

伊織は、宙からいった。

傘をひらいて落ちたように、木の枝が、木の枝に障られつつ墜ちて行ったので、城太郎はどこも大地に打ちはしなかったが、

「やったな、よくも!」

と、ふたたび宙を睨むと、今度は豹が木を攀じてゆくような勢いで、伊織の足の下に迫った。