Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
使者は信州の松本藩の家来なのである。数日前に閣老部屋から早打が立って、木曾奈良井宿の百草問屋で大蔵というものを召捕れという命が飛んでいた。――で、すぐ手を廻してみたところ、奈良井の大蔵一家は、とうに宿場の老舗をたたんで、上方の方へ引移り、その行き先は知る者がない。
家宅捜索をした結果、町家にあるまじき武器弾薬や、大坂方ととり交わした書状などの始末し残った物が多少あったので、それは後から証拠品として小荷駄に積み、やがて御城中へ齎すことになっているが、取りあえず右のお報らせまでを早馬をもってお答えに参りました――というのであった。
「遅かったか」
閣老たちは、舌打ちした。打った大網に雑魚もかからなかった時の感じとひとつである。
次の日。
これは閣老の中の酒井侯へ、酒井家の臣が、川越から来ての報告である。
「おいいつけに依りまして、即日宮本武蔵なる牢人の身は、秩父の牢舎より放ちました。折から、迎えに見えた夢想権之助なる者に、懇ろに、誤解の由を申して、引渡しましてござります」
このことはすぐ、酒井忠勝から、沢庵の耳に伝えられた。
沢庵は、
「御念入りに」
と、かろく謝した。