Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
「あの少年は、そちの連れの者か」
「されば――」
と、権之助はいってすぐ、言葉を抛り返すように、
「その小童は、おてまえの召使でござるか」
「召使ではないが、拙者の主人が目をかけておる丑之助という者。……これ丑之助。何であの旅の人の連れ衆を打ちすえたか」
背中へ廻ってさっきから黙って佇っている彼を顧みて、
「正直に申せ」
と、助九郎が詰問すると、その丑之助が口をあかぬうちに、塔の下に仆れていた伊織が首をもたげて、彼方から、
「試合だよっ。試合だよ!」
と、さけんだ。
伊織は痛そうな体を、その言葉とともに起して歩いて来ながら、
「試合して、おらが負けたんだから、その子が悪いんじゃない、おらが弱いんだ」
と、いった。
助九郎は、伊織が負けたことを怯まず負けたといった姿へ、感嘆でも浴びせたいような眼をみはったが、
「おお。では約束のうえで尋常に打ち合ったのか」
微笑の眼をほそめ、一方の丑之助を顧みると、丑之助も今となってはやや間がわるそうに、
「おいらが、あの衆のむしろを、あの衆のもんと知らねえで、黙って持って来たから悪かっただ」
と、事情を話した。
打たれた伊織ももう元気に回っている。