Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

「ア熱! ……」

片目をつぶりながら、憤然と、突っ立った。

茶碗も盆も、うしろへ飛んで、土間の隅柱に当って一箇は砕けたが、こぼれた熱湯のしぶきが、顔、胸、袴にまでかかったのであった。

「ちイッ」

「この童めが」

時ならぬ二人のさけびと、茶碗の砕けたひびきとが、一つになって、居合す人々の耳を愕かした時、伊織の体は、巌流の脚下へ、叩きつけられた小猫のように、もんどり打って投げられていた。

起き上がろうとすると、

「うぬ」

と、巌流は、伊織の背を、手間ひまなくふみつけて、

「店の者っ」

と、どなった。

片目をおさえながらである。

「この童は、当家の小僧か。子どもとはいえ、免し難いやつ。――番頭っ、ひっ捕えろ」

仰天した佐兵衛が、飛び下りて来て抑える遑もなかった。巌流の脚の下に這いつくばっていた伊織は、

「なにを」

どう抜いたか――いつもその佐兵衛から禁物にされている刀を抜き払って、下から巌流の肱を狙い上げた。

巌流は、またも、

「あ、こやつ」

と、鞠のように、伊織の体を大土間へ蹴転がして、身を一歩、うしろへ退いた。

佐兵衛が、そこへ、

「阿呆ッ」

絶叫して、飛びついて来たのと、伊織が跳ね起きたのと、同時であったが、伊織は、狂せるもののように、