Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
四
「ではお光から、すべてのこと、お聞き取りでござろうが……。いや、面目もない事情で」
「なんの――」
巌流が、やや恥じるのを、角兵衛は打ち消して、
「男女の間、ありがちなことじゃ。いずれ其許も、然るべく妻帯もし、家庭らしゅう、一戸の体も立てねばならぬ。大きな屋敷に住み、多くの門人召使も持ったからには」
「しかし、いちど小間使として、屋敷においただけに、世間のてまえも」
「というて、今さら、お光を捨去るわけにもなるまい。それも妻として不足な女ならまた、考えようじゃが、血すじも正しい。しかも聞けば江戸表の小野治郎右衛門忠明の姪じゃということではないか」
「そうです」
「お身が、その治郎右衛門忠明の道場へ、単身、試合に出向いて、忠明をして、小野派一刀流の衰退を、覚醒せしめたとかいう事件のあった折――ふと、親しくなったとのことだが」
「相違ございませぬ。お恥かしい儀でござるが、恩人たる貴方へ、隠しだてしては心苦しい。いつかは自分からお打明けしようと思っていましたこと。……仰っしゃる通り、小野忠明殿と試合して、その帰るさ、もう宵となりましたので、あの小娘が――その頃はまだ叔父の治郎右衛門忠明の傍に仕えておりました今のお光が――小提燈をもって、皀莢坂の暗い道を、町まで送ってくれました」