Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
三
「エコウ、ほめてばかりいねえで、銭を投げなってことヨ。オイそこへゆく番頭さん、金を集める段になって、逃げるッてえテはねえぜ。なんでエ、しみったれめ!」
一流の毒舌が、チョビ安の場合にはかあいい愛嬌となって、あっちからも、こっちからもバラバラッと小粒が飛ぶ。
「むやみにほうらねえで、どうせのことなら、おひねりにしてくんねえ。お賽銭じゃアねえんだ」
拾い集めた小銭を、両手の中でお美夜ちゃんの耳へ、ガチャガチャと振ってみせて、
「太夫さん、お立ちあいの衆がこんなにお鳥目をくだすったよ。お美夜ちゃんからも、お礼を言ってくんねえナ」
「まア、ほんとうにありがとうございます」
お美夜ちゃんは恥ずかしそうに、唐人髷の頭を、まんべんなくまわりへ下げる。
そのあいだチョビ安はうしろの町家の天水桶のかげにしゃがみこんで、地面へ敷いた手拭の上へ、
「一枚、二枚……」
と銭を数え落としていたが、立ちあがって見物のほうへ向かい、
「オイ、これじゃア一日のかせぎに、ちょっと足りねえや。もうちっと出そうなもんじゃあねえか。おう、そこにいる御隠居さん、十徳なんか着こんで、えらく茶人ぶっていらっしゃるが、そうやってふところンなかで、巾着切りの用心に財布をにぎってばかりいねえでサ、その財布のひもを、ちっとといたらどんなもんだい」