Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
「船頭か」
「追いかけて来たところ、あの船へはいってしもうた」
「でも、何ともしれぬぞ」
「いや調べてみた。まったく別人なのだ」
「はてな?」
と、こんどは三人して、河べりから浜町の原を振り向いて、
「夕方、大工町でちらと見かけて、確かに、この辺までは追いこんだものを。――逃足の早い奴」
「どこへ失せたか」
川波の音が、耳につく。
三名はなお佇んだまま、各※(二の字点、1-2-22)、闇の中へ耳目を放っていた。
――すると。
又八……。又八……。
少し間を措いて再び、原の何処かを、同じ声がながれて行った。
「又よう……。又八っ……」
初めは、耳のせいと疑っていたのであろう。三名とも黙っていたが、急に、眼を見あわせて、
「や。又八と呼んでおるぞ」
「老婆の声だが」
「又八といえば、彼奴のことではないか」
「そうだ」
浜田という部屋住みの若者がまっ先に駈け出し、後の二人もつづいて駈けた。
声を目あてに、追いついたのは造作もなかった。先は、老婆の足である。それに、彼らの跫音を聞くと、かえって、お杉ばばは、自分の方から駈け寄って、
「その中に、又八は居やらぬか」
と、呼びかけた。