Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

九

そして、悄々、どこへか立ち去った。

「――わしも、世間を去る」

と、忠明も立った。弟子の座の中に嗚咽がきこえた。男泣きに泣きだした者もあるのである。

愁然と、うなだれ合っている弟子達の頭を、ながめて、

「励めよ、皆」

忠明は、最後の――師の言として――師愛をこめていった。

「なにを憂い悲しむのか。おまえ達は、おまえ達の時代を、この道場へ、溌剌と迎え取らねばならぬ。明日からは謙虚になって、一層、精を出して磨き合えよ」

九

やがて――道場の方から住居へ戻って、そこの客間へ姿を見せた忠明は、

「失礼いたした」

と、最前から控えている小次郎へ向って、こう中座を詫びながら静かに坐った。

その顔いろには、なんの動揺も読まれなかった。平常と変った点はなかった。

「さて――」

と、忠明は口を切って、

「門人の浜田寅之助は、ただ今あちらで、破門をいい渡し、向後、心を改めて修行いたすよう、よく訓誡しておきました。――で、寅之助が人質に隠しおいた老婆の身も、当然、お帰しする考えであるが、其許がすぐお連れ下さるか、それとも改めて、当方からお送り申そうか」

いうと、小次郎は、

「満足でござる。