Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

「え。今のは、冗戯なのけ」

「もう、安心するがいい」

「礼儀を重んじなければいけないといったくせに、その兵法者が、今みたいな冗戯をしてもいいのけい」

「怒るな。おまえが、剣で立つほどな人間になれるかなれないか、試すためにいたしたのだから」

「だって、おら、ほんとだと思った」

丑之助は初めてほっと息をついていった。同時に、腹が立ったらしいのである。無理もないと、兵庫も思い、宥め顔にまた訊ねた。

「そちは先刻、誰にも剣術は習わぬといったが、嘘であろう。――最初、わしがわざと羽目板の際までおまえを追いつめたが、たいがいの大人でも、あのまま、板壁を背負って、参ったという所なのに、そちはバッとわしの肩を越えて跳ぼうとした。――あれは三年や四年木剣を持った者でも、できる技ではない」

「でも……おいらは誰にも習ったことはないもの」

「嘘だ」

兵庫は信じない。

「いくら隠しても、誰か、そちには良い師匠があったに違いない。なぜ、師の名を申せぬのか」

問い詰められて、丑之助はだまり込んでしまった。

「よく考えてみい。誰かに、手ほどきをしてもらった者があるだろう」

――すると、率然と、丑之助は顔を上げた。