Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate

Aozora Bunko

三

物干竿は、宙を刎ね、

「何処へッ」

と、いうや否、浜田某の片耳を削いで肩先から深く斬りさげてしまった。

三

彼がすぐ、縄目を切ってやっても、西瓜売りは、草むらから顔を起さなかった。

坐り直しはしたが――いつまでも面は上げないのである。

小次郎は、物干竿の血をぬぐい、鞘に納めると、何かおかしくなったように、

「大将」

と、西瓜売りの背を叩いた。

「何もそう面目ながらないでもいいじゃないか。――おいっ、又八」

「はあ」

「はあ、じゃあない、顔を上げろ。さてもその後は久しぶりだな」

「あなたも、ご無事でしたか」

「あたり前だ。――しかし、貴様は妙な商売をしておるじゃないか」

「お恥かしゅうございます」

「とにかく、西瓜を拾い集め――そうだ、あの、どんじき屋へでも、預けたらどうだ」

小次郎は原の中から、

「おおウい、おやじ」

と、麾いた。

そこへ、荷や西瓜をあずけ、矢立を取出して、どんじきの掛障子のわきへ、

空地の死体ふたつ

右、斬捨て候ものは

伊皿子坂月の岬住人

佐々木小次郎

後日の為のこす

こう書いて、

「おやじ、ああしておいたから、其方に迷惑はかかるまい」

「ありがとう存じまする」