Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

侍女をも遠ざけて、ただひとり。

脇息に、ほっそりした被布姿をよりかからせていたお蓮様は、ホッと長い溜息とともに、眉のあとの赤い顔をあげるのも、ものうそう……。

「何度も言うようじゃが、寝覚めが悪いねえ、丹波」

「またさようなことを――!」

眼も口も、人の倍ほどもある大柄な丹波の顔に、すごい微笑がみなぎって、

「お蓮様ともあろう方が、あんな青二才のことをいつまでも――はっはっはっは、イヤ、私はまるで胸がつかえるようなうっとうしい気持です。あっちへまいれば、萩乃様は萩乃様で、源三郎をおもって、シクシク泣いてばかりおいでになる。こっちへ来ればこっちで、あなた様が同じ源三郎をあきらめきれずに、この気っ伏せのありさま。どうもおもしろくない」

と、はいって来て、

「いけませんな。そうクヨクヨなされては。なくなった大先生のおぼしめしどおり、源三メを萩乃様に添わせて、われらはこの道場を立ちのくか――面目にかけてそれができぬ以上、あれくらいの荒療治は当然ではござりませぬか。サ、御後室様、お気をなおして、すこしお庭先でもお歩きになっては」

お蓮様は返事もしない。頭痛でもするのか、白い華奢な指さきで、しきりにこめかみを押え、額に八の字を寄せてだまりこくっている。