Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

そのおまえさんのむりもむりではなくなる。何を言っても、むりがむりでなくなれば、一家ははじめて平隠じゃ、ハハハハ。おわかりかな」

「わちきには、お経のようにしか聞こえないよ」

「わちきが出たナ。マア、よい。明日の晩、亭主をよこしなさい。さア、つぎッ!」

「先生ッ!」

破れ鐘のような声。グイと握った二つ折りの手拭で、ヒョイと鼻の頭をこすりながら、このとき膝をすすめたのは、長屋の入口に陣どっている左官の伝次だ。

「今夜は一つ、先生に白黒をつけておもらいしてえと思いやしてね。この禿茶瓶が、癪に触わってたまらねえんだ。ヤイッ! 前へ出ろ、前へ!」

「こんな乱暴なやつは、見たことがねえ。泰軒先生、わっしからもお願いします。裁きをつけてもらいてえもんで」

負けずに横合いからのり出したは、その伝次の隣家に住んでいる独身者のお爺さんで。

「先生も御承知のとおり、わっしは生得、犬猫がすきでごぜえやして……」

じっさいこのお爺さん、自分で言うとおり、犬や猫がすきで、商売は絵草紙売りなのだが、かせぎに出ることなど月に何日というくらい、毎日のように、そこらの町じゅうの捨て猫やら捨て犬をひろってきて、自分の食うものも食わずに養っているのだが。