Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
ピタリ両手をついて、額を畳におしつけた瞬間。
カラリ!
廊下にむかった障子があいた。待ちきれなくなった治太夫が、殿の許しを得ずにあけてしまったのだ。
「殿! ただいまこれなる本陣の表通りに――」
言いかけた治太夫、見ると、あろうことかあるまいことか、殿様がばったみたいに平つくばって、おじぎの最中だから、
「オヤ! これは御酔狂ナ……何かお茶番でも!」
「無礼者ッ! 誰がそこをあけろと申したッ!」
醜態を見られて、対馬守はてれ半分、カンカンになってどなりつけた。
「今この畳へ、宗匠が針を落としたというから、老人のことじゃからさがしてやっておったのじゃ」
はりとはつらい……。
その鼻先へ、治太夫、かかえて来た壺を突きつけんばかりに差し出して、
「申しあげます。儀作の奪われました壺が、戻りましてございます。唄うたいの男が、お宿の前で儀作に追いかけられ、ほうり出して逃げましたので、運よく割れませんでしたのが、何よりのさいわい」
「ナニ? 壺がかえったと? よし、ちょうどよい折りじゃ。一風に鑑定させよう」
たくましい腕をのばして、むずと壺を引ったくった対馬守は、
「宗匠ッ! これはこけ猿かどうだッ」