Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
由緒のある人――もとより、はじめからそうにらんではいた。言を左右にして身分を明かさないところがなおいっそう、そう思われたのだが。
しかし、知らなかった……知らなかった!
あれが、本郷の有名な道場のお婿さんで、あんなきれいな――あんなきれいな奥様があろうとは!
「たしか本郷妻恋坂、司馬道場とやらの……」
さっき、つぎの間のふすまのかげで、そっと立ち聞いたところでは、ボンヤリとだが、なんでもそういう話。
「でも、ほんとうにもう奥様なのかどうか――どうも二人の話では、ハッキリしないけれど、お互いに思い思われた同士のことは、あの模様でもよくわかる。それに、何やらあのお侍さんは、お婿入り先の道場とのあいだに事情があって、どうやら死んだことにでもなっているようす」
両の袖をしっかり胸におさえてお露は足を早めながら、心の闇から外の暗へ、苦しいひとり言を吐きつづける。
「とてもいわくがありそうだわ。ひとつ、その妻恋坂の道場とかへ知らせてやったら、どういうことになるかしらん――」
深いことは知らないお露、ただもう嫉妬の焔に眼がくらんで……きっとあのお侍のいどころが知れれば、その道場から人が来て、あのお嬢さんとの仲を引きさくに相違ない。