Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
かつは病後のこと。
遠い日光へ出かけて、精根のあらんかぎりをしぼりつくし、神馬を彫る! 自分の持っているすべてを、この一作へたたきこむのだ。全生命を打ちこみ、一線一線命をきざむのだ!……その彫りあがったときが、作阿弥の命のなくなるときにきまっている。
この申し出を受けるとすれば、それは、死出の旅路。
お美夜ちゃんとチョビ安の、二人のかあいい者とも、これが永の別れになる――。
作阿弥は、迷っているのである。
沈黙を破って泰軒が、思い出したように、主水正へ、
「それはそうと、どうして作阿弥どのがここにおられることを……イヤ、このトンガリ長屋の作爺さんが、作阿弥のかりの名であることを、尊台においてはいかにして見やぶられたかな?」
主水正はしばしためらったが、
「神馬を彫らせて日光御廟に寄進したいと、てまえ主人柳生対馬守が思いたたれたのですが、馬の彫刻といえば、誰しもただちに頭に浮かぶのが、この作阿弥殿。いつのころからか世にかくれて、巷にひそんでおられるとのこと……八方手をつくして捜索いたしましたなれど、皆目行方知れずで、これは、あきらめるよりほかあるまいと存じおりましたやさき、ある筋より、当長屋の作爺さんという御仁こそ、作阿弥殿の後身じゃともれ聞きましてナ」