Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

「今夜はお美夜ちゃんにも、ひと役働いてもらわねばならぬ」

と、何事か、そっとその耳にささやけば、お美夜ちゃんは、かわいい顔を緊張させて、しきりにうなずいていた。

それからまもなくだった。

二組の人影が、このとんがり長屋の路地口から左右にわかれて、漆よりも濃い江戸の闇へ消えさったのだが……。

その一つは、泰軒先生をうながして、一路穴埋めの現場へいそぐチョビ安。

もう一つの小さな影は。

大きな風呂敷でこけ猿の茶壺をしっかと背負ったお美夜ちゃん、淋しい夜道に、身長ほどもある小田原提灯をブラブラさせて、一人とぼとぼ歩きに歩いた末。

生まれてから、こんなに遠く家をはなれたことのないお美夜ちゃん。

しかも、夜中。

両側の家は、ピッタリ大戸をおろして、犬の遠吠えのみ、まっくらな風に乗ってくる。作爺さんは足がきかないので、お役にはたたず、朝まで待てない急な御用ときかされて、怖いのも、淋しいのも忘れたお美夜ちゃんは、背中にしょったこけ猿が、疲れた小さなからだに、だんだん重みを増してくるのをおぼえながら、いくつとなく辻々を曲がり、町々をへて、やがて来かかったのは桜田門の木戸。