Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
泰軒さんに頼んでゆけば、大事ないとはいうものの、老先の短い身で、この愛する二人に別れる悲しみを思うと、それは、点火された芸術的興奮に、冷却の水をそそぐに十分だった。
泰軒先生は、しっかと腕をくんで、うつむいたまま、無言。
チョビ安とお美夜ちゃんは、左右から作阿弥の膝にとりすがって、かあいい眉にうれいの八の字をきざみ、下から、じっとお爺ちゃんの顔を見あげています。
恩愛と、生死を賭けた芸術心との、二筋道……。
石のように動かない作阿弥、かすかに口をひらいて、主水正へ、
「大岡……大岡越前守か。うむ、いつぞやこのお美夜坊が、大岡どののお屋敷へお届けものをして、じきじきにお目どおりを許されたさい、これの口から越州殿にも、お願いしてあるはずじゃが……」
と、ハッと心づいたように、
「ウム、そうじゃ!――頼みがある。対馬守様に、お願いがあるのじゃ。聞いてくだされ。これ、ここにおるチョビ安という者は、貴殿の御藩、伊賀国柳生の里の生れだそうじゃが、父も母もわからぬもの。こうして江戸へまいって、幼い身空で世の浪風にもまれておるのも、その、顔も知らぬ父母をさがし当てんがため。