Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

もせずにひとこと、

「丹波! 礼をするぞ。きっとそのうちに、挨拶するからなナ」

せまる宵闇にからんで、しっとりした小声。

源様ッ!……お蓮さまはせいいっぱいに叫んだような気がしたが、声をなさなかった。

突如! バタバタという跫音に気がついて、振り返ったお蓮様は、顔色を変えた丹波が、廊下を、もと来たほうへと逃げかえるのを見た。

意外千万にも源三郎が生きている! 生きてこの道場へ帰ってきている! もういけない! すべてはだめだ! と丹波は観念したのだろう。大きなからだをこまねずみのようにキリキリ舞いさせて、不知火の弟子どものいる広間のほうへと、スッとんでいったが……。

茫然とそれを見送ったお蓮様が、ふと気がつくと、手桶をさげた源三郎、露草にぬれる裾を引きあげて、むこうへ帰ってゆく。

すると、です。

丹波の出ようひとつ、源三郎の合図ひとつで、一気に斬りかかろうと、隠れていたのであろう。そこらの植えこみや樹立ちの蔭から、伊賀侍の伏兵が、三人五人と立ちあがって、お蓮様には眼もくれず、源三郎のあとに従って行きます。

「きっとあの萩乃も、いま源様といっしょにいるに相違ない。