Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
額を青くしている早苗を、丹波はうるさそうに見やって、
「大事ない。おっつけ御帰館になろう」
「でも、この真夜中にお供もお連れにならず、いったいどちらへ?」
「それは、わしにはわからぬ。なんだかこの二、三日、ひどくしょげ返っておられたよ。あの年ごろの婦人は、ふっと無情を感ずることがあるものだからな……」
丹波もさびしそうな顔をしたが、気がついたように、大声に、
「いずれにしても、婢どもの知ったことではない。こちらはお蓮様どころではないのだ。お末の者一同、さわがずと早く寝めと申せ」
「さようでございますか、それでは――」
と、早苗は、あたふたとさがって行く。
あとは、車座になって一同が、不安げな顔を見合わせて、
「どうしたのだろう、お蓮様は」
「何から何まで、意のごとくならんので、ヒステリイを起こしたのでは……。」
ヒステリイなどと、そんな便利な言葉は、その当時はまだなかった。女の言ったりしたりすることで、男のつごうが悪いと、世の良人諸君はみんなヒステリイで片づけてしまう。これは、余談。
「生きている源三郎を見て、心境に大変化をきたしたのかもしれぬテ……オヤ! なんだ、今の音は」