Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
そのお梶が、この二、三日、急に、めっきりふさぎこんでいるのは、
「こんなかあいいお美夜ちゃんと、お蓮様を、人柱などにして、生きながら壁のなかへ封じ込めてしまわなければならないのか――!」
と、親しみがますにつれ、あわれも深まったというのは、これは人情でそうあるべきところ。
この人柱のことは、いくら極秘にしても、微風のようなささやきが、造営奉行所をとりまくお作事部屋に、つぎからつぎと伝わって、諸職人のあいだには、もう誰知らぬ者もない。
この唖のお梶さえ、兄の手真似をりっぱに判断して、ちゃんと知っているくらい。
口のきけない者だから、秘密のもれる恐れは断じてなかろう……というので、選ばれてこの母娘の世話をすることになったのだが。
片輪だけに情が深く、やさしくされればひと一倍、恩にむくいたいという心のわくことには、係役人は気がつかなかったとみえる。
はじめお蓮様は、ションボリうなだれてばかりいるお梶を変に思って、頭を指さして顔をしかめてみせたり、お腹をかかえてうなるやら、いろいろやってきいてみたけれど。
いいえ! というように、首を振るばかり――頭痛でも腹痛でも、病気でもないという。